無期雇用派遣は後悔する?やめとけと言われる理由とは
派遣社員として働くなかで、無期雇用派遣には賛否が分かれる声があります。希望の仕事に就けず、給与の不透明さや拘束感などがやめとけといわれるおもな理由です。一方で、安定性や柔軟性など、選ぶメリットも存在します。この記事では、無期雇用派遣にまつわるリアルな声をもとに、特徴や向き不向きに迫ります。
無期雇用派遣とは?
無期雇用派遣とはどんな仕事?
無期雇用派遣とは、派遣労働者が派遣会社と無期限の雇用契約を結び、企業で働く雇用形態を指します。この形態により、労働者は派遣先が変わっても雇用が継続されるため、安定した職業生活を送ることができます。
無期雇用派遣は、安定を求める労働者や、長期的なキャリア形成を目指す人にとって魅力的な選択肢となるでしょう。
無期雇用派遣の定義
無期雇用派遣は、派遣労働者が派遣会社と無期限の雇用契約を結び、派遣先企業で働く雇用形態です。一般的な有期雇用派遣とは異なり、契約期間の終了を気にせず、安定した雇用を提供することが目的です。
この形態では、派遣会社が派遣先企業を選定し、労働者に仕事を提供します。したがって、派遣先が変わったとしても雇用は継続されるため、労働者にとって安定感が増します。
さらに、無期雇用派遣は、労働者が長期的に同じ職場で働き続けられるため、スキルの向上やキャリアアップにもつながるでしょう。このような雇用形態は、企業にとっても熟練した人材を確保しやすく、双方にとって大きなメリットがあります。
無期雇用派遣の仕組み
無期雇用派遣では、派遣労働者と派遣会社が無期限の雇用契約を結びます。派遣先での業務が終了した場合でも、派遣会社が新たな派遣先を探してくれるため、雇用が途切れることはありません。
また、無期雇用派遣は労働契約法や労働者派遣法の改正により注目されるようになりました。具体的には、2013年の労働契約法の改正によって、同じ職場で5年以上働いている労働者は無期雇用に転換できる権利が生じ、2018年の法改正で無期雇用派遣の制度がさらに整備されました。
これにより、長期的なキャリア形成が可能となり、派遣労働者にとっても安定した職業生活を送れます。
無期雇用派遣の法律的背景
無期雇用派遣は、日本の労働法制に基づいて設けられた雇用形態です。2013年の改正労働契約法により、一定の条件を満たした派遣労働者は無期雇用契約への転換を申し込む権利を得ました。
この法律改正は、長期間働いている派遣労働者の雇用安定を図るために制定されました。さらに、2015年の労働者派遣法改正では、登録型派遣(有期雇用)の労働者が同じ職場で働ける期間が3年に制限される一方、無期雇用派遣はこの制限がなくなり、より長期的な雇用が可能となりました。
これにより、無期雇用派遣は労働者にとって安定した雇用形態として注目されています。派遣会社が派遣先を探し続けるため、労働者は雇用の不安定さを感じることなく働けるのが大きなメリットです。
また、無期雇用派遣は労働者にとって安心感と経済的な安定を提供するだけでなく、企業側にも熟練した人材を長期的に確保できるという利点があります。
無期雇用派遣がやめとけと言われる理由
まずは無期雇用派遣がやめとけと言われる理由をくわしくみていきましょう。
希望する仕事を選べず断りにくい
無期雇用派遣では、希望する仕事の選択肢が制約されます。たとえ合わなくても断りにくいため、自身のライフスタイルや働き方に合わせた希望を重視する人にとっては不利です。
選択の余地が制約され、仕事と生活のバランスが難しくなり、ストレスやモチベーションの低下につながる可能性があります。
昇給制度が曖昧で給料が上がりにくい
給与は派遣元や派遣先の相対評価に基づいて算定され、担当者の評価により昇給の可能性が左右されます。
昇給制度が曖昧で、給料の上昇が期待しづらい点がデメリットです。給与の見通しが不透明なため将来の生計計画が立てにくく、不安定な経済状況への対処が困難です。
自己都合退職となる可能性
仕事に不満や合わなさを感じた場合、無期雇用派遣では自己都合退職として離職することが一般的です。これにより、離職理由が自分の責任とされ、不利益を被ることがあります。
自ら退職せざるを得ない状況が続くと、再就職先を見つける難易度が上がり、職業選択の自由度が制約されます。
失業保険に制約が生じる
無期雇用派遣では自己都合退職となった場合には、失業保険の支給に制約が生じます。次の就業先が見つからない場合、安定した雇用の不確実性が高まり、将来への不安が募るでしょう。
これが生活の不安定さを増大させ、経済的なリスクを抱える要因となるのです。
無期雇用派遣を選ぶメリット
一方で、無期雇用派遣を選ぶメリットはあるのでしょうか。ここでくわしく解説してます。
安定性がある
無期雇用派遣を選ぶ最大のメリットは、一定の安定性が得られる点です。仕事を選ばないことで、仕事が途切れるリスクが低く、安定した収入が維持できるため、生活面での心配が軽減されます。
これは、一定の生計の基盤を築くうえでの強みとなります。
給与が月給制で変動しない
無期雇用派遣は時給制ではなく月給制のため、給与が安定しています。これにより、毎月の生活費の見通しが立てやすくなります。
経済的な安心感があり、支出の計画がしやすい点が魅力です。
大手企業の配属が多く、将来の直接雇用も期待できる
無期雇用派遣では大手企業への派遣が一般的であり、将来的には直接雇用される可能性を秘めています。派遣先での経験がキャリアアップに繋がり、企業内での信頼を築くことで、将来的には正社員として採用される可能性が高まります。
これは、将来のキャリアプランを構築するうえでのよい出発点です。
どんな人が無期雇用派遣に向いている?
無期雇用派遣にはデメリットも多くありますが、向いてる人も一定数存在します。ここでは無期雇用派遣に向いてる人の特徴を解説していきます。
未経験で事務職を目指す方
無期雇用派遣は、未経験から事務職に挑戦する人にとって理想的な選択肢です。大手企業への配属が多く、経験を積むことで将来的な直接雇用の可能性が広がるからです。
派遣先での実務経験が豊富になり、業界や職種に精通し、スキルアップが期待できます。また、異なる業務への挑戦は、多岐にわたるスキルを身につけるチャンスです。
昇格を狙わない、プライベートを優先したい方
昇格を追求せず、柔軟に働き方を選びたい人にとって、無期雇用派遣は適しています。プライベートの時間を重視しながらも、安定した収入を得られるメリットがあります。
仕事とプライベートのバランスを取りやすく、ストレスなく働けます。また、派遣先の企業が多岐にわたるため、自身の興味やスキルに合わせた仕事が見つかりやすいのも特長です。
子育てがひと段落した主婦
子育てがひと段落し、再び働きたい主婦にとって、無期雇用派遣は適した選択肢です。柔軟な働き方が可能であり、生活スタイルに合わせた仕事を見つけやすい環境が整っています。
子どもの成長に合わせて勤務時間を調整できるため、仕事と家庭の両立がスムーズです。派遣先の企業が提供する研修やサポートもあり、未経験からスタートしてスキルを身につけやすい点も魅力です。
まとめ
無期雇用派遣にはメリットとデメリットがあります。まず、柔軟性が高く、仕事内容や職場環境を多岐にわたり経験できる点が魅力です。
また、短期プロジェクトや特定のスキルが求められる業務に適しており、キャリアの幅を広げられます。一方で、安定性や福利厚生が不安定なことが挙げられ、長期的な雇用の不安があるかもしれません。
自分のライフスタイルやキャリア目標に合わせ、派遣先や契約条件を検討することが重要です。無期雇用派遣での就業を検討される方は、細心の注意を払い、後悔のないキャリア選択を目指してください。
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