派遣の契約終了とは?契約終了の対策方法やその後の対応について
派遣の契約終了にはさまざまな理由が考えられます。しかし生活を考えると、契約の終了は不安になりますよね。派遣での仕事を始める前に、契約の終了について理解しておくとあわてずに対応できるでしょう。今回の記事では、契約終了の理由や対策、その後の対応策についてくわしく解説します。
派遣の契約終了になるケース
派遣の契約終了には、契約期間を全うする「契約満了」と、期間途中での「契約終了(解除)」の2つのケースがあります。
それぞれについてくわしく見ていきましょう。
契約満了
派遣の契約には、あらかじめ定められた期間があります。
たとえば、契約期間が3月1日〜9月30日までの場合、9月30日が契約満了日です。更新がなければ、その時点で契約は終了します。法律では、派遣先企業は契約満了の30日前までに更新の有無を通知する義務があります。契約が更新されない理由は、自己都合と会社都合の2種類があります。
自己都合は、派遣社員自身が更新を希望しない場合です。一方、会社都合は、派遣先企業が更新を希望しない場合です。前述の場合も派遣先企業は契約満了の30日前までに通知する必要があります。
契約終了・解除
契約期間途中での契約終了には、派遣社員側と派遣先企業側でそれぞれに事情があります。
家庭の事情や健康上の理由で契約終了を希望する場合、派遣会社に相談し、手続きを進めるのが一般的です。この際、派遣会社と派遣先企業の合意が必要となり、引き継ぎのため1か月以上前に申し出るのが望ましいです。
ただし、契約途中でやめた事実は後の就業にも響く恐れがあるため、特殊な事情がないならば契約満了まで働くのが推奨されます。
派遣先企業に途中解除された場合
経営難や事業縮小など、派遣先企業側の事情で契約を途中解除されるケースがあります。
契約を途中解除された場合「派遣法第29条の2」にもとづき、派遣先企業は派遣会社と協議し、代替就業先の斡旋や休業手当の支払い、解除理由の明示といった措置を講じる義務があります。また、まれなケースですが、派遣社員自身に問題があると途中で契約解除になる可能性があります。
遅刻や欠勤が多い、勤務態度が悪い、ハラスメント行為があったなどの場合、派遣先から派遣会社に申し出があり、会社都合で契約解除となる場合があります。
派遣契約終了を避けるための対策方法
派遣社員としての契約を持続させたいと考える方も多いでしょう。
ここでは、派遣契約終了を避けるための具体的な対策を解説します。
勤務態度の向上に努める
ほかの社員とのコミュニケーションを積極的に行い、円滑な人間関係を築く努力をしましょう。
同じミスを繰り返さないように注意し、自己改善を図るのも重要です。また、担当する仕事に対して責任感を持ち、意欲的に取り組む姿勢を示すと、周囲の評価も高まります。
スキル向上に努める
契約を更新してもらうためには、つねに自身のスキルを磨く努力も欠かせません。
業務に関連する資格を取得したり、新しい技術を習得すれば、自身の市場価値を高められます。自身のスキルを磨いた結果、派遣先からの評価もあがり、契約更新の可能性が高まります。
派遣会社を積極的に活用する
仕事に従事する中で、トラブルやミスマッチが発生する可能性は避けられません。
しかし、トラブルやミスマッチの問題を解決せずにいると、ストレスや働きにくさが増し、自身の能力を十分に発揮できなくなる恐れがあります。
場合によっては、本来の能力を見せられないまま契約終了になるケースも考えられるので、悩みがあるときは、積極的に派遣会社に相談するのが大切です。
信頼できる派遣会社を選ぶ
自身の希望に耳を傾け、希望や相性にあう仕事先を紹介してくれる派遣会社を選定するのも、安心して長く働くポイントです。
信頼できる派遣会社は、派遣先でのトラブルにも迅速に対応してくれるため、安心して業務に専念できます。また、自身のスキルや経験にあった仕事を見つけやすくなり、長期的な契約の持続にもつながります。
派遣契約が終了したらどうすればいいの?
派遣契約が終了したら次に何をすればよいのでしょうか。
契約終了後の選択肢をいくつかご紹介します。
派遣会社に新しいお仕事を紹介してもらう
まず考えられるのは、現在の派遣会社に新しいお仕事を紹介してもらうことです。
派遣会社の求人票を確認し、気になる仕事があれば担当者に伝えましょう。これまでの派遣先での経験を整理し、活かされたスキルや改善点を担当者に共有すると、自分にあった仕事や職場を紹介してもらいやすくなります。
もちろん、別の派遣会社に登録して、新しい仕事を探すのも手です。派遣会社には特定の業界や年齢層に特化したところなど、それぞれ得意分野があるため、複数の派遣会社に登録すると、選べる仕事の幅が広がるでしょう。
ただし、トラブル防止のため、複数の派遣会社に登録していることは事前に各社に伝えておくのが大切です。
正社員のお仕事を探す
派遣として働きながら、正社員を目指すという選択肢もあります。
安定した収入や長期的なキャリア形成を考えているなら、正社員への転職を検討しましょう。正社員を目指す方法として、以下の2つがあります。明確に働きたい業界や企業がある場合は、直接転職活動を行う方法もあります。自分で求人票を探すほか、職業紹介サービスを利用するのも効果的です。
紹介予定派遣制度を利用する
紹介予定派遣制度は、正社員や契約社員への転換を前提に、最長6か月派遣社員として働く制度です。
派遣先企業と合意のうえで、直接雇用に切り替えることが可能です。この制度を利用すると、実際に働きながら企業の雰囲気や業務内容を確認できるため、安心して正社員を目指せます。
その他の選択肢
派遣契約終了後の選択肢として、専門的なスキルを磨くための資格取得や研修を受けることも考えられます。
資格取得や研修により、よりよい条件の仕事を見つけるチャンスが広がります。また、自身のライフスタイルやキャリアプランを見直すよい機会ともなるでしょう。
まとめ
派遣契約の終了の背景にはさまざまな理由があります。なるべく長く勤めたいときは、勤務態度の向上、派遣会社の積極的な活用、信頼できる派遣会社の選定、そしてスキルアップに努めると、長期雇用につながるでしょう。また、派遣契約が終了した場合の次のステップは、自分のキャリアビジョンや希望に応じて柔軟に考えるのが大切です。適切な選択をすると、より充実した生活を送れるでしょう。