事務職でいきなり正社員は難しい？競争率が高いって本当？

事務職は人気の高い職種として知られており、未経験からいきなり正社員として働くことは難しいです。しかし、派遣などの働き方を通して事務職としてのキャリアを積み、正社員にステップアップすることは十分に可能です。本記事では、事務職の転職事情について深掘りしてみていきましょう。

事務職は競争率が高い職種の1つ

事務職とは、企業や組織内で書類作成、データ入力、電話・来客対応などの事務的業務を担当し、円滑な業務運営を支える職種です。仕事内容は多岐にわたり、企業によって求められる業務内容が異なる点も特徴です。例えば営業事務は営業活動を支援する役割を持ち、経理事務は帳簿管理や経費処理など、業務内容に応じた専門知識が求められます。その他にも医療事務や労務事務などの分野があり、それぞれに応じたスキルや資格が必要です。

事務職は人気が高い一方で、厚生労働省のデータによれば、一般事務の有効求人倍率は0.35と低いです。このように求職者に対して求人が少ないため、競争率の高い職種といえます。ただし、正社員への転職が難しいかどうかは一概に言えず、個人のスキルや経験、選考対策の有無などが大きく影響します。そのため、希望する職種や業界に合わせたスキルの習得や資格取得を行い、万全な準備で転職活動に臨むことが重要です。

事務職に求められるスキル

事務職は特定の資格や学歴が必須ではなく、未経験からでも目指せる職種です。しかし、転職を成功させるには一定のスキルが求められます。

パソコンスキル

まず、パソコンスキルは基本中の基本です。事務職では書類の作成やメール対応などでパソコンを日常的に使用するため、Microsoft WordやExcelなどのオフィスソフトを使いこなせる能力が必要です。また、業務効率を高めるためには、ある程度のタイピングスピードも求められます。

ビジネスマナー・コミュニケーションスキル

次に、ビジネスマナーとコミュニケーションスキルも不可欠です。電話応対や来客対応、社内外の人と関わる場面が多いため、ていねいな言葉遣いや身だしなみ、適切な態度などが重要になります。面接においても、そのようなビジネスマナーが評価の対象となるため、日頃から意識しておくことが求められます。

スケジュール管理能力

さらに、スケジュール管理能力も欠かせません。事務職は同時に複数の業務をこなす必要があり、タスクの優先順位を見極めて、納期を守る力が問われます。また、上司や他部署から急な依頼が入ることも多いため、柔軟に対応できるよう自分の業務量を常に把握し、調整する能力も必要です。

事務職への転職を成功させるコツ

事務職は人気の高い職種であるため、転職市場においては競争率が非常に高いです。とくに正社員としての採用を目指す場合には、十分な準備と戦略が不可欠です。対策を講じずに転職活動を行っても、希望のポジションを得るのは難しいでしょう。そこで、正社員として事務職への転職を成功させるための方法をいくつか紹介します。

アルバイトから正社員登用を目指す

まず1つ目は「アルバイトから正社員登用を狙う」という方法です。企業によっては、正社員登用制度を設けており、非正規雇用から正規雇用へ切り替えるチャンスがあります。いきなり正社員として採用されるのが難しい場合でも、まずはアルバイトや契約社員として働き、業務実績やスキル、勤怠状況などを評価してもらうことで、正社員への道が開ける可能性があります。

紹介予定派遣を活用する

2つ目は「紹介予定派遣の求人を活用する」ことです。紹介予定派遣とは、一定の派遣期間（最長6ヶ月）の後、派遣先企業と労働者双方の合意が得られれば、正社員として雇用される仕組みです。特に事務職が未経験の人にとっては、業務内容を体験したうえで正社員登用を目指せるため、ミスマッチを防ぐ意味でも有効な方法です。

資格を取得する

3つ目は「資格を取得する」ことです。資格は、職務経験が乏しい場合でも、能力やスキルを客観的に証明する手段になります。事務職への転職においてとくに有利とされる資格には、Microsoft Office Specialist（MOS）、秘書検定、日商簿記検定などがあります。MOSはWordやExcelなどのオフィスソフトを操作するスキルを示し、秘書検定はビジネスマナーやコミュニケーション能力を証明します。また、日商簿記は経理関連の基礎知識をアピールするうえで有効です。これらの資格はすでに取得していなくても、現在勉強中であることを履歴書に記載することで、学習意欲や目標意識の高さをアピールすることも可能です。

まとめ

事務職は企業運営を支える重要な職種であり、人気が高いため転職市場では競争率が非常に高いのが実情です。とくに未経験からいきなり正社員を目指すのは難易度が高く、しっかりとした対策が不可欠です。しかし、派遣やアルバイトとしての経験を積んでから正社員登用を目指す方法や、紹介予定派遣制度を活用することで、着実にステップアップを図ることが可能です。また、MOSや簿記、秘書検定などの資格取得は、スキルの証明や選考時のアピール材料として非常に効果的です。パソコンスキル、ビジネスマナー、スケジュール管理能力といった基本的なスキルも欠かせません。自分の強みや適性を把握し、ていねいに準備を重ねていくことで、事務職への正社員転職という目標は十分に実現可能です。